2018年10月27日
歯周炎とは、プラークが歯ぐきの際などに残った際、歯と歯ぐきの境目にある歯周ポケットから細菌が入りこんで歯ぐきをはじめとする歯周組織に起こる炎症のことで、一般的に歯周病と呼ばれている病気のことです。今回は歯周炎の原因などについて、詳しくご説明したいと思います。
■歯周炎の原因について
今では虫歯を抑えて歯を失う原因の第一位と言われている歯周炎は、歯ぐきや歯の周りの歯根膜、歯槽骨などに炎症が起こる細菌感染です。では歯周炎の原因はいったい何でしょうか。
・直接的な原因
歯周炎の直接的な原因は、プラークです。お口の中には非常に多くの細菌が潜んでいますが、プラークは、細菌が作り出したばい菌の塊です。よくプラーク=食べかすと勘違いされますが、プラークは食べかすではありません。食べかすの中に含まれる糖分をエサにして細菌が棲みつき、プラークを作り出して歯ぐきの際などにべっとりと付着したものです。
そこへ歯周病菌が棲みついて毒素を出し、歯ぐきに炎症を引き起こすのです。
・歯周炎を引き起こすリスクファクター
歯周炎を引き起こす間接的な原因として、喫煙習慣や糖尿病などが挙げられます。このようにある症状を引き起こす間接的な要因を「リスクファクター」と呼び、特に喫煙習慣は歯周炎を引き起こす大きな要因であると考えられています。喫煙は歯周炎の発見を遅らせ、治療しても効果が表れにくく、再発しやすい最悪のリスクファクターです。
■歯周炎の進行具合と症状
歯周炎は進行するにつれ軽度歯周炎、中度歯周炎、重度歯周炎に分けられます。歯周炎の主な症状は歯ぐきの腫れと出血です。進行すると歯と歯ぐきの境目の歯周ポケットが深くなて炎症が起こり、歯周病菌が入りこんで症状を悪化させます。その結果ひどい口臭、歯槽骨の吸収による歯の動揺といった症状が出始めます。さらに症状が悪化すると膿が溜まって噛むことが困難になります。また歯がグラグラして抜け落ちそうになって日常の食事に大きく差し支えてしまいます。重度歯周炎になると最終的に歯が抜けるか抜歯となり、歯を失ってしまいます。
歯周炎の症状はお口の中だけではありません。歯周炎は、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞、誤嚥性肺炎、妊婦の早産および低体重児出産など、全身の健康に大きく関わっていると言われています。
特に糖尿病との関連は深く、歯周病が悪化すると糖尿病も悪化傾向にあると報告があり、お口の中だけの問題で済まなくなることがわかっています。
なお歯ぐきの腫れと出血の症状が起こる歯肉炎は、歯周炎の一歩手前の状態で、学童期や思春期のお子さんにもよく見られます。ブラッシング不足が原因ですが、歯周炎との違いは、歯槽骨など歯周組織に炎症が起きていないことです。
しかし歯肉炎をそのままにしておくと、若い人でも歯周炎に進行してしまう恐れがあります。
■歯周炎を悪化させないためには
歯周炎、つまり歯周病は成人の約8割が罹患しているほど身近な病気です。歯周炎を悪化させないためには日常の丁寧なブラッシングが第一です。また寝る前の歯磨き時など、一日一回は歯間ブラシやフロスなどを使った歯間ケアを行うことが歯周炎を予防するうえで非常に重要です。
そして歯科医院で定期的に歯石除去とクリーニングを受けることが、歯周炎の悪化を防ぐ最大の方法です。毎日のケアだけではどうしてもプラークが形成されてしまいます。プラークが石灰化して歯石になると、自分で取ることは困難になります。また歯周炎が進行していることに気づかなくなり、やっと受診した頃には症状がかなり進行しているというケースも決してめずらしくはありません。
歯科医院で定期検診を受け、歯周炎を悪化させないよう心がけましょう。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
午前 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ◯ | × |
午後 | ○ | ○ | 〇 | ○ | ○ | ◯ | × |
午前:9:00~13:00 最終受付12:30
午後:14:00~18:00 最終受付17:30
休診日:日曜・祝日